個人情報も自分でコインで削る時代
宅配便ラベルの文字が消える 「消えるくん」開発:スラッシュドットジャパンより
毎日新聞の記事によれば、 共同印刷株式会社と、ヤマトグループのヤマトロジスティクス株式会社は、住所や名前がコインで簡単に消える「消え?るくん」を共同開発したと発表した(共同印刷のプレスリリース)。「消え?るくん」は、住所や名前の印字部分にスクラッチ機能を持たせ、受取人がコインなどで擦るだけで、印字した情報を簡単に消去することができるラベル。一般ユーザが廃棄に要していた手間と不安を取り除き、個人情報の安心・簡単な処分が可能になったという。販売は、2006年11月1日から開始するとのこと。これからも個人情報保護の観点から、このような商品に期待したいです。
スクラッチだと、宝くじとか、福引きなどを思い出す。一説には当たりくじに銀色などの削る部分を被せているだけなので、当たりくじは決まっている。その当たりくじの印刷が、はずれくじと若干印刷がずれているようで、大量のくじを重ねて見れば横から発見できるらしい。たくさん揃うと当たりである少数の1枚を発見しやすくなるようだ。
今回の宅配便のコレは良いと思う。スラッシュドットのコメントにもあるように、配送中に消えないのか?これは私も思った疑問。
個人が荷物を出す場合、コンビニなどから出すことが多いだろう。その後集荷され、センターのようなところで分別され、個別に届く。
届いた後の宛先シールに書かれた自分とか、相手の住所が書かれているものの処分を安全にするためのことが、今回のこと。
簡単に出来る、コインなどで削るだけだから・・・
また、削らなくても自分の範囲でコントロールできること。手元にあるからだ。
しかし、荷物が届くプロセスにおいて最も大きな問題がある。実際に何度も体験したこと。
荷物を受けてくれるコンビニでは、POSと連動し、とても手際よく荷物を預かってくれる。
問題はその後だ。コンビニでは荷物を安全に預かることが仕事だろう。しかし、荷物は宅配便の荷物であって、コンビニに納品されたお菓子などの商品ではない。
そこには、伝票に詳細なことが書かれている。だからコインスクラッチのようなものが出てくるのだ。
コンビニのレジ周りはたかだかしれた広さしかない。そこに荷物を一端置くのだから仕方ないこと。
でも、伝票に書かれた個人情報に注意をすれば、いくらでも何でも出来る。
お客が見えるところに、住所と名前、電話番号が書かれ、品名まで書かれているのだ。
自分の預けた荷物の伝票から情報が見えてしまうのだ。
コンビニ側が若干のことをするだけで、それも防ぐことができる。例えば何かネットのようなものを被せ、見えにくくするなど・・・
決して難しいことではない。いくら最終の伝票処分時に削っても、最初の伝票を書き受けたときから、届くまでの間にいろいろあるのだ。
コンビニ荷受けのヤバイところは、荷物を出した本人まで特定されること。それは荷物を預けに行くのだから当たり前。コンビニのレジで前に並んでいる人全員の名前も連絡先もわからない。
しかし荷物をこのような受けかたをすれば、それもわかる。
これがどれくらい脅威のあることか、ほとんど知られていないようだ。
小学生の頃、果汁で紙に書いて”あぶり出し”をやったことがあった。何とも不思議な感じで、果汁の匂いも良い感じだった(笑)
スパイ映画の一面のような感じさえした。何であぶると文字が出てくるのだろう?
逆のあぶり消しってものある。これは先のスクラッチと同じように情報を消すこと。
クレジットカードの控えなど、最近では昔のファックスのような感熱紙を使っているので、捨てるときにはライターであぶるだけで消える。そもそも熱の加わった場所にだけ反応する紙だから、黒くなり文字になる。それをさらにあぶるだけで真っ黒になる。
危険なのは、あぶりすぎると引火する。薄くて燃えやすい紙だから結構アブナイ。
自分で出来ることは自分で守り、一言声をかけるだけで相手に注意喚起をすることも自分のため。
物理的に荷物を盗むことだけでなく、目で見て情報を知ることも出来るのだ。
新倉茂彦
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