Googleの中国閉鎖で思う、色々な立場で「大人な都合」の情報閲覧コントロール
前から思っていたのですが、「大人の都合」による情報コントロールは如何なものかと。フィルタリングにしても、見せたくないものが明確になってきます。フィルターにかかったものに、異常に興味が湧くものです。なぜ?そこまで隠すのかと。
Google、中国事業閉鎖の可能性 言論の自由の問題めぐり – ITmediaNewsviakwout
Googleは2006年に中国語版検索エンジンGoogle.cnを開設した際に、中国の人々への情報アクセスを提供することを重視し、一部検索結果を検閲することに同意した。このとき同社は、「中国での状況を慎重に観察し、(情報アクセスを提供するという)目的を達成できないと思ったら、ためらわずに中国へのアプローチを再考する」という姿勢を明確にしていた。
Googleによるアクセス制限は、一般的には検索国の法律に従って行われるが、Googleはアメリカの企業であるため、アメリカ国内の法律によって違法と判断されたサイトについては、全世界で表示されない。例えば、デジタルミレニアム著作権法に抵触すると判断されたサイトについては、日本人向けのコンテンツであっても日本国内から検索出来ないし、アメリカ以外の国経由で検索しても同様である。
中国国内のインターネットは政府によって検閲を受けており、中国版yahoo!、中国版Googleなど国際的サーチエンジンも例外ではない。「天安門事件」や「台湾」などの単語を検索しても政権に不都合なものは表示されない。また、「ダライ・ラマ14世」も禁止ワードに指定されており、チベット人
の反感を買っている。米国版Googleでは表示されるが、中国国内から中国版Google以外のGoogleにアクセスすることは出来なくなっている。
インターネットの難しい部分である、国境を超えたネットワークだから起こる問題でもあると思っています。前日書いた、アリコジャパンの情報漏洩事件、インターネットで国境超えにより捜査難航も同じです。
それぞれの国にとって、その国の判断で必要と思われるものを制限することは、誰にも止められません。大人な都合が働いたとしても・・・
こんな存在すら知らない人たちには、ネットで調べられることは「検索結果がすべて」であるし、知っている人たちは、何を規制したがっているのか?もネットで調べることも出きます。ここに情報格差が出てきます。
一方で、「Googleは臆病だ!」検索候補が検閲されているとネット上で大騒ぎ:らばQ
「キリスト教」と入力した場合の候補
- キリスト教はうそっぱちである
- キリスト教は宗教ではない
- キリスト教は嘘である
- キリスト教 イスラム教 ユダヤ教
- キリスト教は誤りである
- キリスト教はカルトである
- キリスト教は間違いである
- キリスト教はフェイクだ
- キリスト教、イスラム教、ユダヤ教 類似点
「ユダヤ教」と入力した場合の候補
- ユダヤ教の神は
- ユダヤ教は宗教の本である
- ユダヤ教は誤りである
- ユダヤ教は種族ではない
- ユダヤ教は宗教ではない
- ユダヤ教は種族である
- ユダヤ教はカルトである
- ユダヤ教はゴミ宗教だ
- ユダヤ教一神教である
- ユダヤ教は種族ではなく宗教である
「仏教」と入力した場合の候補
- 仏教は宗教ではない
- 仏教はあなたが思っているものではない
- 仏教は間違いである
- 仏教は多神教である
- 仏教はうそっぱちである
- 仏教は誤りである
- 仏教は宗教である。
- 仏教は最高の宗教である
- 仏教は概念に基づく
- 仏教はカルトである
「ヒンズー教」と入力した場合の候補
- ヒンズー教は一神教である
- ヒンズー教はどこでメジャーな宗教か
- ヒンズー教は誤りである
- ヒンズー教は多神教である
- ヒンズー教は宗教ではない
- ヒンズー教は生活の方法である
- ヒンズー教は間違いである
- ヒンズー教は一番古い宗教である
「イスラム教」と入力した場合の候補
と、検索結果が出てくるようです。
決して「平等とか公平であるべきだ」とか言いたくないですが、結果が物語っています。
ここには、一企業が判断した「大人な都合」が反映されています。営利追求団体である以上、「大人な都合」は仕方のないことだと思っています。
一方で、今時の情報検索にインターネットを使わない事は考えられないことにもなっています。しかし、検索結果に出てこない情報をどうやって見極める? 見つける?ことができるのでしょうか。
ネット検索の結果がすべてではない。と思う以外には、方法はないと思うのです。
とは言っても、調べ物は検索するし、慣れって恐いもので「それ以上」調べることがないのです。時間もコストも限りがあるからです。
便利になり過ぎてしまったインターネット。メディア全般に言えることですが、情報を過信しないと意識するしかなさそうです。複数のネタを収集して「自分で判断できる眼力」をつけていきたいです。
関連ブログ:
Googleがパケットをのぞき見ている?次はエシュロンか?
追記:
中国のグーグル検索に「天安門事件」登場、オフィスは厳戒
北京(CNN) 「ネットの検閲はもう続けない」と宣言した米検索大手のグーグルが13日、中国の検索サイト「Google.cn」に天安門事件やダライラマ、法輪功など従来は出て来なかった検索結果を表示するようになった。
今後の動向が気になるところです。
わんとぴ:セキュリティ https://twitter.com/security_1topi
新倉茂彦
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45の事例から知る【情報セキュリティ標語】実践研修・ケーススタディ
■ 座学の場合:1事例2分程度、45事例すべて実施(90分の研修)
様々な事例を知る ⇒ 基礎知識が身につく
⇒ 身近な事例を自身に置き換えることで、応用できる対応能力スキル向上を目指します。
■ 演習の場合:目安は5分から30分程度、熟考することにより深く身についていきます。
(直近で起きた社内事故や身近な事例等、事例の深掘り次第で時間は変わります)
身近な事故事例をテーマ ⇒ 自ら(グループで)考える
⇒ 他者との討論(発表など)により、多面的なヒントを得ることを目指します。
One thought on “Googleの中国閉鎖で思う、色々な立場で「大人な都合」の情報閲覧コントロール”
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今中国に駐在していますが、googleの検閲がなくても、特定のキーワードが通信されれば、接続が切られてしまい、表示できない状態になります。結局は同じことですね。恐るべし中国の技術!